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不動産・住宅ローンの落とし穴

不動産や住宅を買うとき、営業担当者からこんなことをよく言われます。

 「○○さんの年収だったら、住宅ローンは3000万円まで組めますよ。」

思いがけない高い金額のローンが組めると言われると、「俺ってそんなにローン組めるんだ」などと少し得意になりがちですが、ここで注意してほしいのは、

”ローンを組める(借りれる) = 返済できる” ではない

ということです。つまり・・・

住宅ローンの限度額と返済能力は同じではない

同じ年収でも、養育費や生活費がいくらかかるか、たとえば子供が何人いるか、私立か公立かなど、生活環境で毎月の住宅ローンの支払いに充てられる資金は大きく違ってきます。車のローンや教育ローンの支払いがあるかないか、毎月のカードの支払いが大きいか小さいかなどもありますし、また現在賃貸で家賃を払っているならその分はローンの支払いにまわせるので、家賃をどのくらい払っているかも大きな要素となります。

それを考えずに「いくらまでローンを組めます!」と言われて無茶なローンを組んでしまうと、負担が大きくなった分、将来考えていた車の買い替えをあきらめたり、大好きな旅行に行けなくなったり、新しい洋服を毎月買っていたのを3ヶ月に1回に減らしたりと、他の部分で我慢をしなければいけなくなってしまいます。

贅沢を我慢するだけならまだいいですが、食費を削らなければいけなくなったり、化粧品の質を落とさなければいけなくなったり、お小遣いを減らされたり、共働きをしなければいけなくなったりと、生活が今より大変になってしまったのでは、せっかく買ったマイホームも素直に喜ぶことができなくなってしまいますよね。

住宅ローンは先を考えて

住宅ローンを組む際は、現在の収入で毎月の返済額が支払えるかだけでなく、将来的なこと、例えば車の買い替えでローンを組む、子供が学校に入る、結婚する等の大きなお金のかかるイベントのことを考えた上でしっかりと返済計画を立てることが大事です。

ただし、現在の収入ではきついからといって、あきらめなければいけないわけではありません。知らずに無駄に払っている保険料の見直しや払いすぎている税金の見直し、また投資で資産を増やすことを検討することで、生活レベルは大きく改善されます。

とはいえ、いきなり全てやろうと思ってもどれから始めていいかわからずに混乱してしまいます。自分にできそうなことから、まずは一つに絞って始めてみてください。